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岡田和生氏、香港で詐欺罪にて逮捕される。


【写真はAGB日本版より】パチンコ機器大手ユニバーサル・エンターテインメント(Universal Entertainment Corporation)は6日、同社元会長で「日本のカジノ王」とも呼ばれる岡田和生(Kazuo Okada)氏が、「賄賂に関する」複数の容疑で香港の汚職取締機関に逮捕されたと発表した。【AFP=時事

全く持って、岡田和生氏はカラフルな人格である。

  • 岡田氏はユニバーサル・エンターテイメントの前会長であるが、2017年6月29日にその座から辞任している。

  • 今年初期、ユニバーサル・エンターテイメントは、岡田氏に対し、特許権が侵害され、損害賠償を求め、民事・刑事訴訟を起こしている。

  • 1000万米ドル(約11億1300万円)の詐欺についてアメリカ法務省による調査も受けている。

  • ウィン・リゾーツとの法廷闘争を終えた。

  • 香港の裁判所で、1人の日本人億万長者が娘の協力を得て、息子との法廷闘争を繰り広げている。

  • ユニバーサルエンターテインメントの親会社にして、彼が筆頭株主である「岡田ホールディングス合同会社(岡田HD)」の登記上の本社は香港にある。→香港で争議となっている。

  • 岡田ホールディングスは家族会社であるが、東京にあるグループの株式の多数を保有している。

20年程前、ラスベガスにウィン・ラスベガスを建設する際、50/50のビジネスパートナーとして、「ラスベガスのカジノ王」と呼ばれるスティーブ・ウイン氏と組んだ。ウィンがマカオにもカジノ運営ライセンスを取得し、マカオでのカジノ事業で大成功し、順風満帆であった。しかし、7年程前、岡田氏のカジノのプロジェクトでフィリピン進出に賛成しなかったウィン氏は岡田氏を訴えることになる。岡田氏は強制的に2割以上のディスカウントで持ち株を売らされることになった。ご想像通り、それで黙っている岡田氏ではなかった。同じころ、スティーブ・ウィン氏が奥さんのエレイン・ウィン氏との離婚問題で揉めていた。エレイン元夫人もスティーブ・ウィン氏を株主としての不正行為などで訴えていた。三絡みとなったこの泥沼の戦いは外部からは全くの茶番劇でしかなかったが、スティーブ・ウィン氏が雇った探偵(元CIAの偉い人)からの報告書で、岡田氏がフィリピンの賭博監視委員会幹部へ上納金(袖の下)15万ドル相当の譲渡の形跡がある件について、岡田氏が一言「たったの15万ドルじゃん!」と言ってのけたらしい。この後、誰もが黙ってしまったと推測されるが、岡田氏にとって果たしてこれは名言だったか失言だったのか?事実のみ挙げておくが、最近になってフィリピンの賭博監視委員会の「幹部」だった者が、ウィンとその調査団を逆に訴えて勝訴した。 ユニバーサル・エンターテイメントは30年以上前からラスベガスに進出していた。ただ、岡田氏が脱税で逮捕された数年後だった為、ネバダ州でカジノ機器製造ライセンスの取得の際に余計に時間がかかり、ライセンス取得にかかった費用が5億円とも10億円とも言われている。この州のライセンスだが、多種ある。カジノ運営ライセンス。これは安田銀二さん(アラディン)やホテル・サンルート・グループ(ホテル・サンレモとその後継のフーターズ・カジノの一部)が持っていた種類で、無制限カジノ機器やテーブルに250室以上のホテルがあることが最低条件。コンビニやスーパー、飲み屋さんにも最多15台までのスロットやビデオ・ポーカーの機械設置が許可されるが、制限がある分、前述のカジノ運営ライセンスよりは軽減されているバージョンである。カジノ機器製造ライセンスは、公認カジノへのスロットマシンやゲーミング機器製造許可であり、アルゼやコナミが持っている種類で、最近ではセガ・サミーも取得したと聞いた。このライセンス取得であるが、並大抵ではもらえない。特に会社の代表に「前科」がある場合は特にそうである。日本からの企業の場合は、ネバダ州賭博監視委員会の調査員が「xxx会社調査団」が結成され、日本でもアフリカでもどこまででも行く。彼らの各航空会社マイレージは凄まじい程たまっていると冗談を聞いたことが何度もある。海外出張へは、ビジネス以上のクラスでないと調べに来てくれない、と言う噂もある。それも、決して一人では来ない。アメリカ国内の会社が申請する場合、特に最近の傾向として、株式市場に上場している会社からの申請が殆どになってきた為、最難関SEC(U.S. Securities and Exchange Commission,米国証券取引委員会)を通った会社であれば結構審査も簡単になってきてはいる。少々風変りなスロット製造会社がある。EVERI社と言うが、元々ATMやその周辺機器の製造をしていた。あるスロットメーカーを買収しそのままスロットメーカーのライセンスを取得し、少数ではあるが、ベガスのカジノにもスロットが設置されている。まあ、モノへ対する見方の角度を変えると、ATMの機械もスロットの機械もお金の出し入れの機能が装備されている点で同じだ。ATMのモニターを大きくして、スロットも遊べるようにしたものが、スロット・マシンと考えれば、成程である。EVERI社は既に上場企業だった為、ライセンス取得も非常にスムーズであったようだ。

今回の岡田氏逮捕の件だが、「賄賂」とか「詐欺」の理由で香港汚職監視機関により逮捕されたと日本のメディアでは出されている。香港のメディア(Asian Gaming Brief日本版より、以後「AGB」と略す)によると、フィリピンにあるカジノ、「オカダ・マニラ」を運営する「タイガー・リゾート・アジア社」よりの訴えで、岡田和生氏とその関係者の一人であるリィ・ジィアン氏がオカダ・ホールディングス社から1970万ドル(約21億9250万円)を私利に使用する為に騙し取ろうとした陰謀により当局により拘束された、と纏めてあった。

岡田氏が2015年の2~3月にわたり、担保や利息を要求せずに、リィ・ジィヤン氏のゴールドラック・テック(Goldluck Tech)への貸付として企業資金を放出したことに対してタイガー・リゾートから起訴されている。逮捕後、直ぐに保釈条件に基づいて釈放されている。

【写真はAGB公式HPより

同じく6月15日版AGBによると、フィリピン当局は、岡田氏への詐欺行為疑いに対し、以下のように述べている。

日本ゲーミング業界の権力者である岡田和生氏に対する、1000万ドル(約11億円)の詐欺行為をめぐる告発に関しては現在もその真偽は明らかにされていない。この告発内容は、依然として司法省において再審理の対象となっている。先月、パラニャーケ市の検察庁は、タイガーリゾーツ・レジャー&エンターテインメントが行った岡田氏に対する1000万ドル(約11億円)の詐欺及び偽証の訴えを、証拠不十分により棄却した。 しかし、メナルド・ゲバラ司法裁判官(Menardo Guevarra)は、パラニャーケ市の検察庁における決議はまだ確定ではなく、再審理の申立てを受ける可能性があることを記者団に対して示唆している。 司法省長官は、「再審理の際に我々が違う見方をすれば、結果は異なるものになるでしょう。」と述べた。 ゲバラ氏は先月に発生した、パラニャーケ市の検察庁の決定が当事者に開示される前にリークされSNS上に公開されてしまった漏えい事件についても原因究明を急いでいるとした。 当時、 タイガーリゾーツはパラニャーケ市の検察官であるアメルハッサン・パウダック氏(Amerhassan Paudac)に対して、岡田氏の詐欺に関する告発を棄却する決定が5月18日以前に開示されたとして、その責任を追及している。その事件以来、ホルヘ・カタロン検事総長(Jorge Catalan)とパウダック氏はこの告発への介入を禁じられている。また、司法省は、国家調査局による漏洩事件に関する介入調査を行うよう指示している。

「自分の会社からいくらお金を抜こうが、俺のかってだろう」的な思考回路であろう。跡取りとしてトップに立てた実の息子に自らが創設したユニバーサル・エンターテイメント社から追い出されてしまったので、こんな時は、「親父」として、それとも「自分の育てた会社幹部のボス」としてご立腹されているのかが知りたいものだ。 ネバダ州のカジノ・ライセンスの話に戻るが、岡田氏の失言「たったの$150,000だけ」により、フィリピンの賭博監視委員会幹部への収賄を認めたと察知したウィン・ラスベガスとアルゼの取締役会メンバーは、「やばい!直ぐに岡田氏を外さねば!」と動いたに違いない。小生の覚えでは、$150,000の賄賂とメディアにあったのを覚えていたが、この度2012年11月29日付けの日本ロイターによると、莫大な数字が動いていたことが分かった。(と小生の数字に誤りがあったことを謝罪する)以下のように出ているので参考にしていただければと思う。

米当局がユニバーサル会長を聴取へ、フィリピン資金疑惑めぐり 東京/サンフランシスコ 2012年11月29日日本ロイターHPより ユニバーサル・エンターテインメント(6425.OS)の関連会社からフィリピンのカジノ当局首脳の側近に資金が流れていた問題で、米カジノ規制当局が岡田和生会長の聴取に向けて動いていることが、ロイターの取材で明らかになった。これまでのロイターの取材で、フィリピン側に渡った資金の総額は4,000万ドルに上ることが分かっているが、このほどマニラで開かれた議会の公聴会で、ユニバーサルは1,000万ドルが同社に返還されていたことを認めた。側近側に送金された金額は3,000万ドルになり、米カジノ規制当局はこの資金の流れに関心を寄せている。米国のカジノ事業を監督するネバダ州カジノ規制委員会(NGB)は今年8月までに調査を始めた。NGBのA.G.バーネット委員長はロイターの取材に対し「調査は今も続けている。真っ最中だ」と話した。バーネット委員長は今後の調査予定などに言及しなかったものの、事情に詳しい複数の関係者によると、NGBは、ユニバーサルの岡田会長を参考人として呼び、事情聴取をする見込みだという。聴取は3人の委員が非公開で行い、正式な審理を行うかどうか決める。関係者によると、これまでのところユニバーサルは調査に協力的。「(岡田氏が)どんな説明をするのか興味深い」と、関係者は話す。ロイターの取材によると、フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)のヘニュイーノ会長(当時)の側近で、公社のコンサルタントを務めていたロドルフォ・ソリアーノ氏に流れたのは総額4,000万ドル。ユニバーサルの米国子会社アルゼUSAからユニバーサル社員名義の香港企業「フューチャー・フォーチュン」を経由し、3,500万ドルがタックスヘイブン(租税回避地)として有名な英領バージン諸島に登記され、ソリアーノ氏が経営する会社「スービック・レジャー・マネジメント」に支払われた。残りの500万ドルは香港に登記され、同じくソリアーノ氏が経営する会社「ピープルズ・テクノロジー」に送られている。NGBは、スービック社に送金された資金に特に関心を寄せているという。4,000万ドルのうち1,100万ドルは会計的な理由からすぐにユニバーサルに還流したため、ソリアーノ氏には3,000万ドルが渡ったことになる。同氏が受け取った資金の使途は明らかになっていない。資金が流れた2010年前半は、マニラ湾沿岸で計画していた巨大カジノをめぐり、ユニバーサルがフィリピン政府に税の減免や外資規制の緩和を要望していた時期と重なる。ソリアーノ氏は、フィリピンの政官財の各界に人脈を持ち、フィリピンのアロヨ前大統領の夫と関係が深かった。PAGCOR会長とも親しく、同氏の「私設秘書」としても知られていた。複数の関係者によると、ユニバーサルが同氏に支払った資金は、社内の会議で、カジノ実現に向けた問題を解決する「成功報酬」と説明されていた。税の減免により、プロジェクトの利益率が向上することに加え、100%持分によって利益の総取りを期待していた、と関係者は話している。2010年3月にアロヨ政権から法人税の免除を認められたユニバーサルは、23.5%の賭博税を払うだけで済むようになった。同社は同年8月にPAGCORに行ったプレゼンテーションの中で、フィリピンのカジノは年間6億ドルのキャッシュを生み、利益率は業界最高水準の35%に上ると説明。また、2011年9月に行ったアナリスト向け説明会では、比較的低い税率と賃金のおかげで、マカオのカジノよりも収益性が高いとしていた。 ユニバーサルの資金問題をめぐっては、NGBに加え、フィリピン政府も本格的な調査を開始。11月28日に議会で公聴会が開かれ、ユニバーサルのカジノ計画の代理人弁護士は、ユニバーサルの現地企業で、プロジェクトを推進しているタイガー・グループはソリアーノ氏に対する支払いを認識していないと証言。タイガーの現地責任者は、1,000万ドルがスービック・レジャーに支払われ、その日のうちに小切手でユニバーサルに返金されたと述べた。ロイターは代理人弁護士の荒井裕樹氏を通じてユニバーサルにコメントを求めたが、現時点で得られてない。米当局が調査に乗り出したことを報じた前回の記事に対しては「現在係争中の案件であるため調査に数週間要することから現時点でのコメントはできない」としていた。ソリアーノ氏のコメントも得られていない。これまでにユニバーサルは、総額1,500万ドルを許可なく海外送金したとして、元社員らを東京地裁に訴えている。(ロイターニュース ジョセフ・メン、布施太郎、ネイサン・レイン、ケビン・クロリッキ;編集 久保信博)

米「フォーブス」誌によると、岡田氏は日本の長者番付に入るような(16位)金持ちで、約30億ドル(3200億円)の資産をもつという。

実に「日本のカジノ王」であることは間違えない。


 

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